今さら聞けないレーザー加工の基礎知識

レーザー加工の原理とは?

レーザー加工は、レーザー光線を使っていとも簡単に金属やプラスチック等を

加熱、溶融、蒸発させる加工方法です。

仕上がりが非常にきれいなどのメリットがあります。

今回は、レーザー加工の起源からレーザ加工方法のプロセスまでをご紹介します。

1.レーザ加工の始まりはいつから?

1960年5月16日にセオドア・H・メイマンによってダイヤモンドに

ルビーレーザ光で直径数百の穴あけを行なったことで、

世界で初めてレーザの発振が確認されました。

その後、数年間にヘリウム-ネオンガスレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、

炭酸ガスレーザ、ファイバレーザ等の発振が報告されています。

現在、1,000種類以上のレーザが開発されていますが、

材料加工に使われるレーザは10種類程度です。

そして主な使用用途は、困難な厚板の切断、溶接および材料の表面処理のため、

航空機や自動車業界においてもレーザ加工が導入されており、

現在、産業界の広い分野で利用されています。

>>>半導体レーザーについてはこちら

>>>YAGレーザーについてはこちら

>>>炭酸ガスレーザーについてはこちら

>>>ファイバレーザーについてはこちら

2.レーザー加工の原理とは?

レーザー加工機におけるレーザー発振器の原理についてご紹介します。

 

まず基底状態と呼ばれる原子がもっとも安定した状態の原子に

光や電子などのエネルギーを与えると電子が、より外側の軌道に移り、

基底状態より高いエネルギー状態となります。

その励起された原子は不安定なため、すぐに元の軌道に戻ろうします。

この時に、基底状態のエネルギー準位をE1、励起状態のエネルギー準位をE2とする

光の粒子のエネルギーであるE2-E1=hvのエネルギーを光として放出します。

そして、この自然放出光が他の励起状態にある原子に入射すると、

その原子は自然放出光に刺激されて基底状態に戻ります。

このときに発生する光を誘導放出光といい、

入射光と同じ向きにエネルギーが2倍になるように増幅されます。

励起エネルギーを強くすると、励起状態の原子数が基底状態のそれより多くなります。

この状態でレーザーの媒質中を自然放出光が進むと、

誘導放出過程により光の増幅が行われます。

この増幅光が二枚の反射鏡から形成される光共振器の間を往復すると

さらに誘導放出による光の増幅が行われます。

この増加エネルギーが光共振器内の損出エネルギーを越えると

レーザー発振が起こってレーザー光が放出されます。

3.レーザー加工のプロセスとは?

集光レンズで絞られたレーザー光がワークに照射されてから、

最終的に加工するまでの赤外レーザー光での加工プロセスは以下の通りとなります。

レーザー加工機から出力されたレーザー光は、材料に吸収され、

吸収されない残りの一部は反射又は散乱してしまいます。

材料表面の反射率が高い場合は反射され、

表面がザラザラした素材の場合は散乱しやすくなります。

レーザー光が吸収されると材料が発熱並びに溶融され、

最後に加工されるというプロセスになります。

>>>レーザーの種類についてはこちら

4.レーザー加工の安全性について

レーザー加工は極めて高いエネルギー密度の光源を利用して行う加工です。

レーザー光は優れた特性を持つ反面、危険でもあります。

レーザー加工とレーザーの安全は一緒に考える必要があり、

レーザーに関連する危険を熟知していなければなりません。

レーザーの安全に関する規格として、

JIS C 6802:2011「レーザー製品の安全基準 」があります。

Co2レーザーやファイバレーザーのレーザー光は目に見えないため、

特に高出力のレーザー光は人体に照射された場合、眼の障害や熱傷の障害を起こします。

そのために直接または間接的に眼や皮膚に当たらないような注意が必要です。

具体的には、レーザー管理区域の囲い、注意標識、遠隔操作、保護メガネ、

保護衣、点検整備、安全衛生教育、健康管理が必要です。

>>>JIS C 6802:2011「レーザー製品の安全基準  」についてはこちら

5.まとめ

今回はレーザー加工の原理についてご説明いたしました。

レーザー加工が世界で確認されて、約60年を迎え、

レーザー加工は産業界に大きな影響を与えています。

同時に、レーザー光を扱うことで生じる危険性もございますので、

十分な知識が必要となります。

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