レーザ加工でバリを防ぐ方法とは?

バリとは、加工の際に発生した残留物が製品に付着したもののことです。
そのバリは金属の破片から生成されるために擦り傷や手を切ったりすることも多々あり、
製造物責任法に該当する例の1つとなります。
バリは、製品の安全性や精度にも影響を及ぼすため、
加工工程後のバリ取り作業やバリが発生しにくい加工条件に設定する必要がございます。
そこで今回は、バリが発生する要因・対策や、実際の改善事例、
バリを取り除く方法についてご紹介します。
バリが発生する原因
まずは、金属を加工する時にバリが発生する原因をご説明します。
バリが発生する原因として、金属の特徴である延性が挙げられます。
延性とは、金属に力を加えた時に素材が伸びる性質です。
これにより、加工時に力が加わった際に部分的な変形が起きてしまいます。
この変形がバリの発生を誘発する原因となります。
一般的に硬度が低い材質は、延性が高いという性質もございますので、
加工前に材質の硬度の確認は必須項目となります。
バリ改善事例
■材質/板厚:SUS304/t3mm 窒素加工
■課題:意匠性の高い微細形状であり、蓄熱影響によるバリ(酸化した黒バリ)が発生していた。
<条件調整内容>
- 微細形状につき最大切断速度の見極めを行うと共に、出力、周波数、デューティを調整し入熱を抑えた加工条件を作成。
今回のケースは微細形状のため最大切断速度に制限があります。(通常のステンレス
加工とは調整方法が異なります。)
そのため、先に切断速度を決めた上で調整しています。
<手順>
①切断速度F1000~2000mm/minの条件で加工。
※微細加工時の最大速度は機種によって変わってきます。
出力を100~200W目安で下げていく。デューティは最大ピーク出力になるように下
げる。
このときエネルギー不足によりバリが悪化するポイントの見極めに注意する。
バリが悪化したら出力は400W程度高めに戻して、周波数を下げていく。
※周波数の下限値目安は切断速度の1/10になります。
②熱レンズ現象を考慮し、適切な焦点裕度を確保。
【結果】
加工不良前に比べ良好な品質になりました。
※バリの低減はありますが、バリレスにはなっていません。
<その他条件確認する上での留意点>
・条件確認前には必ず加工レンズの状態確認(清掃含む)、ノズル状態の確認を実施してください。
・芯出しの確認も合わせて実施してください。
加工時に発生したバリを取り除く方法
加工条件を調整してもバリが発生してしまうことはあります。
ここでは、代表的なバリを取る方法を5つご紹介します。
①バリ取り機もしくはグラインダーの使用
1つ目はバリ取り機もしくはグラインダーの使用です。
砥石を回転させることで研磨や切削、研削を行う工具のことです。
バリ取り機を使うことで手作業に比べ、約10倍以上の生産性を向上します。
②バレル研磨
2つ目はバレル研磨にてバリを除去する方法です。
バレル研磨はバレルと呼ばれる樽の中に研磨剤と加工対象物を入れて、
バレルを回転、上下運動させることで、
加工対象物と研磨剤がすれ合うことで研磨を行います。
加工対象物と研磨剤で生じる摩擦によりバリを取り除くことが可能となります。
③電解研磨
3つ目は電解研磨にてバリを除去する方法です。
こちらの電解加工は、バリが付着している工作物を陽極に、
対向する電極を陰極として、両極間に電解液を流し通電することでバリを溶解します。
電解液内ではバリ部に通電することで電気抵抗による発熱でバリを除去します。
④化学加工法
4つ目は薬品でバリを溶かす化学加工方法です。
特に微小部品や薄板の製品で発生するバリ取り作業にて使用される方法です。
化学加工法は、アルミニウムやステンレス等、
薬品を変えることで様々な材質のバリ取り作業が可能です。
例えばステンレスの場合は、塩酸と硝酸の混合溶液による王水系の薬品が用いられます。
⑤電気化学的加工法
5つ目は超音波を利用する電気化学的加工方法です。
超音波を液体に作用させると、キャビテーションと呼ばれる水の中にある
空気を圧縮・膨張させる現象が発生します。
キャビテーションは真空となり消失する時に、瞬間的に大きなエネルギーを放出し、
その放出したエネルギーでバリを取り除くことが出来ます。
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まとめ
今回はレーザ加工でバリが発生する要因と対策についてご説明いたしました。
バリ自体は作業者への怪我の危険性から精度の悪化並びにバリが動作部に
入り込むことでトラブルが発生する場合がございますので、
ご紹介しましたバリを取り除く方法の5点をご参考にしてください。
また、バリレスは難しく改善しても低減できることがほとんどです。
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