今さら聞けないレーザー加工の基礎知識

レーザー加工が出来ない素材とは?

レーザー加工とはレーザー光線を使っていとも簡単に金属やプラスチック等を

加熱、溶融、蒸発させる加工方法です。

レーザー光を微小スポットに集束させることで加工をする非接触型の加工方法なため、

仕上がりが非常にきれいなどのメリットがあります。

あらゆる素材の加工を可能なレーザー加工ですが、

中には加工できない素材がございます。

そこで今回は、レーザー加工ができない素材をご紹介します。

レーザー加工が出来ない素材の特徴

材料にはさまざまな成分が含まれているため、加工に適していない材料ございます。

材料によってはレーザー照射すると、人体に有害なガスや塵を発生する危険があります。

また加工機本体に錆が生じて、性能が劣化したり、耐用年数が短くなる場合もあります。

塩素を含む素材

塩化ビニールは私たちの生活にもなじみ深い素材です。

しかし、塩化ビニールはレーザー加工ができません。

塩化ビニールにレーザー加工を行うと有毒ガスが発生します。

さらに、機械自体も酸化されて樹脂パーツが劣化し、ミラーが曇る場合があります。

このように、人体と機械の両方に害を与える可能性があります。

塩化ビニールはビニール基に塩素(Cl)が結合されていて、

その塩素が加工時に化学変化を起こして有毒ガスに変化することが原因です。

つまり、塩化ビニールにみならず、塩素の元素記号がCLなので、

素材を調べてCLが含まれるものは避けることが重要です。

これを簡易的に見分ける方法は加工しようとしている素材を燃やしてみる方法が有効で、

燃やした時に刺激臭や煙が黄色くなった場合は、塩素を含む可能性が高いです。

しかし、含有量が少ない時は感知できない場合もございますので、注意が必要です。

レーザー光が反射される素材

鏡や鏡面仕上げされた金属など、レーザー光を反射する素材もレーザー加工ができません。

これは大きなエネルギーを持ったレーザー光が反射し、機械内部を損傷させるためです。

有毒ガスが発生する素材

有毒ガスを発生する物質は先程の塩素に加え、テフロンやフッ素なども含まれます。

他にも有害な物質を放出する物質はありますので、

材料を取り扱うメーカーに相談するか、データシートで確認する必要があります。

まとめ

今回はレーザー加工が出来ない素材についてご説明いたしました。

人体に有害なガスを発生させる素材やレーザ加工機を損傷させる素材があるので、

レーザー加工をする際には、必ず加工してもよいかをチェックする必要がございます。

 

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