ファイバーレーザー加工機とは?導入・更新時に抑えておきたいポイントをご紹介

ファイバーレーザー加工機とは
ファイバーレーザー加工機とは、レーザー光線を用いて金属の切断、マーキングを行う機械です。
光ファイバーを媒質に用いた固体レーザーであり、ビームの伝送が全てファイバー内で行われるため、ミラーや光軸調整が不要でメンテナンス性に優れた特性を持っています。
銅やアルミニウムのような、高反射材でもピンポイントに熱を加え切断することも可能です。
ファイバーレーザの波長は1.07μmであり、CO2レーザと比べ波長が短いためビームを細く絞り、エネルギー密度を高くすることにより窒素加工での高速加工が可能となります。
レーザーガスが不要でCO2レーザ加工機と比べエネルギー効率が高く、ランニングコストを抑えることが可能です。
連続発振とパルス発振の2種類があり、用途に応じて使い分けられます。
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ファイバーレーザー加工機のメリット
高速加工
CO₂レーザー加工機と比較し、窒素加工の高速加工が可能です。
省エネ
エネルギー効率が高く、CO₂レーザー加工機よりも電力削減が可能です。
高反射金属の加工
銅・アルミなど高反射材でも安定した加工が可能です。
微細加工が可能
高ビーム密度のため、非常に細かい形状や穴開けが可能です。
メンテナンスが少ない
ミラーや光軸調整が不要です。
ファイバーレーザー加工機のデメリット
導入コストが高い
CO2レーザー加工機に比べ初期費用が高い。
作業エリアが密閉される
可視外の波長を用いるため、見えないレーザ光が目に深刻な損傷を与える可能性があるため開口部の少ない構造となり、目視作業や調整がやりにくい。
非金属材料の加工には向かない
非金属系材料にビームが吸収されにくく、効率的な加工が難しい。
ファイバーレーザー加工機の価格
ファイバーレーザー加工機の価格は、装置の仕様やメーカー、出力、加工サイズなどによって大きく異なります。一般的に、同等の出力・加工能力を持つCO₂レーザー加工機と比べて、ファイバーレーザー加工機は高価になる傾向があります。これは、ファイバーレーザーが高いエネルギー効率とメンテナンス性を兼ね備えているためであり、ランニングコストの低さを含めて長期的に見れば高い投資効果が期待できます。
価格帯としては、国産の新品ファイバーレーザー加工機であれば、システム構成をシンプルにした場合でも、おおよそ5,000万円から1億円以上となるのが一般的です。
ファイバーレーザー加工機の選定におけるポイント
発振器出力(ワット数)
加工したい内容に応じて適正出力を選定する。(薄板には小出力、厚板には大出力が必要)
保守・サポート体制
光学系や電子部品は定期点検が必要。迅速なサポートが受けられるメーカーの選定が必要です。
設置スペースと搬入経路
装置サイズ、設置に必要なスペース、重量などの確認が必要です。
加工スピード
生産性に直結しますので、ベンチマークテストで比較するのが効果的だと思われます。
アフターパーツの調達性、保守部品の国内在庫有無
レンズ、ノズル、チラー、ファイバーケーブルなどの入手性や納期も重要となります。国内に交換パーツがあるかどうかでトラブル対応速度が大きく変わります。
納入後のトレーニングサポート
メーカーや代理店が現場での操作教育・メンテ講習を提供してくれるかどうかも重要です。
三菱電機ファイバーレーザー加工機のご紹介
三菱電機製ファイバーレーザー加工機は【GX-F】シリーズとなっています。
発振器出力は4kW~20kWまでのラインナップがあり、自動化システム・自動仕分けシステムも取扱いしております。
詳細は下記、記事をご参考いただけますと幸いです。
三菱ファイバーレーザー加工機 GX-Fシリーズ
ファイバーレーザー加工機の導入事例
建機部品を製作されている企業様
中厚板の加工において、従来は切断後にドロス(スラグ)除去などの後工程が必要で、作業効率や品質に課題を抱えていました。GX-Fの導入により、切断面の品質が大幅に向上し、酸化被膜の除去は必要なものの、ドロス除去といった後工程を省略できるようになりました。また、高速ピアス機能により加工スピードが向上し、全体の生産性がアップしました。ランニングコストの削減効果も実感されています。
農機部品を製作されている企業様
複雑な形状の製品では、酸化被膜の除去作業に多くの手間がかかっていました。GX-Fの「軟鋼・窒素切断モード」に切り替えたことで、酸化被膜の発生を抑えた加工が可能となり、仕上げ工程の負担が大きく軽減しました。アシストガスに窒素を用いることで切断速度も向上し、生産効率が改善されました。なお、一部製品ではバリ取り機を併用し、さらなる品質向上に取り組まれています。
建築部品を製作されている企業様
これまでの加工では、加工不良による機械の停止や不良品の発生が問題となっていました。GX-Fの導入後は、中厚板領域でも安定した切断品質が得られ、連続運転中の加工機停止リスクが大幅に低減。品質と稼働率の向上により、安定した生産体制の構築に貢献しています。
最後に
今回はファイバーレーザー加工機についてご説明いたしました。
ファイバーレーザー加工機やCO2レーザー加工機の購入を検討する際、ご相談していただけますと幸いです。